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スポーツ整形の代表的な疾患

スポーツ整形の代表的な疾患

スポーツによる代表的な
疾患について紹介します。

半月板損傷

膝関節の大腿骨と脛骨の間にあり、クッションとスタビライザーの役割を果たしている半月板を損傷すると、膝を曲げたり伸ばしたりする際に、痛みやひっかかりを感じます。重症化すると、関節液が溜まり、膝が動かなくなるロッキングの状態になり、痛みで歩行が困難になります。
体重が加わった状態でひねったり、衝撃を受けることで生じます。半月のみが損傷する場合と、前十字靱帯損傷などに伴って起こる場合があります。変形断裂、水平断裂、縦断裂、横断裂など、原因によってさまざまな損傷の形態があります。

野球肘・野球肩

成長期にボールを投げ過ぎて発症するのが野球肩です。損傷の部位により、肩の前方か後方、上腕が痛みます。投球時、下肢・体幹からの大きなエネルギーをボールに伝えるのが肩関節です。肩関節で衝突やけん引、摩擦などが反復して起こり、腱や筋、骨が損傷して痛みが生じます。

野球肘も成長期にボールを投げ過ぎることによって発症します。ボールを投げるときや投げた後に肘が痛くなるほか、伸びや曲がりが悪くなり、動かせなくなってしまうこともあります。
繰り返しの投球で肘への負荷が過剰にかかり、外側で骨や軟骨が剥がれたり、内側で靱帯、腱、軟骨が傷むのが原因です。

テニス肘

テニスでバックハンドストロークを繰り返すと肘に痛みが生じることがあり、テニス肘といわれています。テニス以外にも手首をよく使うスポーツや腕に負担がかかる作業で発症します。
ボールを打つ際の衝撃が手首から肘の付け根の腱に伝わり、炎症や痛みが起こります。手首を伸ばす働きをする短橈側手根伸筋の起始部が、肘外側で障害されて生じます。

アキレス腱炎・断裂

アキレス腱を断裂したときは、ふくらはぎをバットでたたかれた感じ、ボールが当たった感じと表現されるなど、強い衝撃を感じます。
踏み込みやダッシュ、ジャンプなどの動作時にふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)が急激に伸縮して起こります。30~50歳代のスポーツ愛好家に多いとされていますが、活動量の多い若年層の受傷も多く注意が必要です。

シンスプリント

脛骨(すねの骨)の中央から下にかけて疼痛が生じます。
ひらめ筋、後脛骨筋、長趾屈筋など、足関節を底屈する筋、筋膜のけん引により、脛骨の骨膜に炎症が起こった状態です。陸上の中・長距離、サッカー、バスケットボールなど、走ることが多い競技を行う中学生、高校生によくみられます。

肉離れ

スポーツ中などに筋肉が強く収縮して、筋繊維の一部が損傷した状態です。ふくらはぎの内側の中央上部や、大腿部に激しい痛みが生じます。ふくらはぎの肉離れは下腿二頭筋の内側頭の筋肉部分断裂、大腿部の肉離れは、前面は大腿四頭筋、後面はハムストリングの筋肉部分断裂によるものです。成長期の場合、筋肉と骨が付着した場所を、筋肉が強い力で引っ張り、剥離骨折を起こす懸念もあります。

膝の慢性障害

スポーツによって起こる、膝周辺の痛みの総称です。ランニングやジャンプなどを繰り返し行うことで、膝に痛みが生じます。軽症であればスポーツを継続することは可能ですが、その後に痛みが生じます。中等症では、スポーツ中およびその後に痛みが生じ、重症になると常に痛みが出てプレーに支障をきたします。最終的には腱や靱帯の断裂につながります。

足の慢性障害

足は全体重がかかるため、さまざまな場所に痛みが生じます。特に陸上競技やサッカー、バスケットボールなど、ランニングやジャンプが多いスポーツでは、多くの慢性障害が発生します。足の慢性障害には種子骨障害、外脛骨障害、足底腱膜炎、踵骨々端症、踵骨滑液包炎などがあります。それぞれ痛みが生じる場所は異なります。

オスグット病

脛骨結節(膝の皿の下にある骨)が徐々に突き出し、痛みを生じます。腫れたり熱を持ったりすることもあります。安静にすると痛みがなくなりますが、スポーツを再開すると痛みも再発します。10~15歳くらいの発育期に発生しやすい、一過性の病気です。

腰椎分離症

腰に強い痛みを感じるほか、お尻や太ももに痛みが生じることもあります。腰椎を後ろにそらせると、痛みが強くなります。
ジャンプや腰の回旋により、強い負荷がかかり、腰椎の後方に亀裂が入って発症します。10歳代で起こることが多い腰椎分離症ですが、それが原因となり分離すべり症に進行することがあります。